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通院交通費・宿泊費等の事例集

通院交通費として認められるものは、基本的に電車・バスの料金です。自家用車を利用した場合は実費相当額となります。ただし症状などによりタクシーの利用が相当とされる場合はタクシー料金が認められます。なお、看護のための近親者の交通費も被害者本人の損害として認められます。

通院交通費

タクシーによる通院交通費を認めた事例

右大腿骨開放骨折、右脛骨高原骨折(開放性)等の障害を受けた兼業主婦(事故時44歳、固定時50歳)について、タクシー料金は各日でその時の利用方法(呼出料の賦課)、交通事情等で額に変動があるので、通院を始めた3ヶ月間の1回の平均往復タクシー料金を2156円と設定し、これに総通院日数1253日を乗じた270万円余を認めた(東京地判平14.3.22)

通院交通費として、ガソリン代、高速道路料金、駐車場料金等を損害と認めた事例

通院に要した駐車場代として2万5930円を認めた(神戸地判平7.8.2)

1日当たりのガソリン代は往復81キロメートルで1553円であり、高速代は日額1320円として、通院日数55日分、15万円余を認めた(東京地判平7.8.29)

将来の通院交通費を認めた事例

終生治療を要する3級3号の被害者(51歳)につき、通院交通費年額64万1385円、平均余命27年間、合計939万円余りを認めた(横浜地判平2.7.11)

1級3号の女児(事故時11歳)につき、通院交通費として年額103万円余を平均余命まで認めた(神戸地判平9.9.3)

その他交通費

付添人交通費

頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫等で1840日入院した1級3号の女子小学生につき、入院付添交通費として、父親の見舞いのための交通費合計60万円とは別に、母親について月額4万5000円で51ヶ月分、祖母について月額1万7400円で60ヶ月分、叔母について月額2万4000円で60ヶ月分、合計477万円余を認めた(札幌高判平13.5.30)

独身の被害者につき、北海道から姉が6回見舞いに来て付き添った際の航空運賃合計35万円余を認めた(名古屋地判平19.5.30)

見舞いのための交通費

頭蓋底骨折等で記銘力低下(5級2号)等(併合4級)の高校3年生男子につき、両親が高速道路を利用して少なくとも120回見舞いに訪れた往復のガソリン代と高速道路利用料金の請求に対し、両親が見舞いのために病院を訪れることは心情として理解できるとして、40日分、24万円余を認めた(東京地判平10.1.30)

治療中の通勤交通費等

頸部痛、眼精疲労、左手の振戦等(14級)の女性眼科医(事故時30歳)につき、事故前は勤務先病院に一般道を走行して通勤していたが、事故後は長時間の運転ができないため利用した高速道路代30万円余を認めた(甲府地判平17.10.12)

右腓骨遠位端骨折、右胸部打撲、右足脱臼骨折、右第一中足骨脱臼、右第二~四趾中足骨骨折、右足関節外顆骨折等(併合10級)の男性地方公務員(事故時33歳)につき、通勤・通院交通費76万円余、および事故とは無関係である歯科通院のために必要となったタクシー代6万円余を認めた(大阪地判平20.3.14)

宿泊費

脳挫傷等(1級3号)の大学生につき、借りていたアパートを遠方から来て付き添った母親のために11ヶ月間引き続き借りた賃料49万円余を認めた(横浜地判平2.11.30)

運動機能障害、外傷性てんかん、高次脳機能障害等(1級3号)の銀行員男性(32歳)につき、家族が看護・介護(リハビリ期間も含む)のために確保したホテル宿泊費、借家家賃等630万円余を、自宅から病院まで遠いためやむなく借りたものと認め、別に認めた住宅改造費はこれとは重複損害とならないとした(東京地判平16.12.21)

 

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