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装具・器具等購入費の事例

事故で受けた傷害、後遺症のため日常生活に支障が生じたときは、不自由な体の機能を補うための装具・器具が必要となる場合があります。これらは被害者の受傷の部位・程度、後遺症の状態、生活環境等を考慮して、必要かつ相当な限度で賠償が認められます。 義歯、義眼、義手、義足、その他相当期間で交換の必要があるものは将来の費用も原則として全額が認められます。この他に、眼鏡、コンタクトレンズ、歩行補助器具、車椅子(手動・電動・入浴用)、盲導犬費用・ポータブルトイレ・電動ベッド、ギプスヘッド・水洗トイレ付きベッド、介護支援ベッド、 エアマットリース代、リハビリシューズ、エキスパンダー、頸椎装具、コルセット、サポーター、義足カバー、折り畳み式スロープ、歩行訓練器、リハビリ用平行棒、歯・口腔清掃用具、身体洗浄器、洗髪器、介護用浴槽、吸引器、入浴用椅子、体位変換器、入浴担架、障害者用はし、脊髄刺激装置等があります。

義歯、義眼、義手、義足、装具等の購入費

頭部に醜状痕(12級13号)の3歳男児につき、人工かつら代1回2セット分40万円余、耐用年数5年、10回分403万円余を認めた(那覇地沖縄支平3.6.17)

義歯について、保険診療では補綴材料や治療内容に制約があるとして、原告の請求どおり10年ごとに自由診療製作費の80パーセント、平均余命まで総額127万円余を認めた(東京地判平14.1.15)

左下腿部切断(5級5号)、左大腿醜状痕(12級相当)、顔面口唇下部創痕(12級12号)等(併合4級)の女性会社員(固定時34歳)につき、義足等がその外観を含めて実際上果たす機能から、義足等の費用145万円のうちの美観目的の費用71万円余を認め、被害者が左下腿部切断後頻繁に皮膚の合併症をひき起こしており、また、切断部分の未端部の皮膚が薄くぜい弱であることが原因で通常の場合よりも義足の交換や修理を多く行う必要があり、今後、義足の交換費用が増大する蓋然性が相当高度で、交換頻度が高くなる可能性も相当程度見込まれるとして、3年に1度、16回分の義足の交換費用1919万円を中間利息を控除しないで認めた(福岡高判平17.8.9)

介護用品・器具の購入費

1級3号の女子小学生(6歳)につき、入浴についての天井走行リフトの本体、走行用レール、バッテリーとストラップ、入浴用担架、エレベーター、介護用ベッド、座位保持装置(座った姿勢を保持するもの)、車椅子、キャリーシート(座った姿勢を固定するために用いる補助椅子)、アクティビティベース(キャリーシートを乗せる台車で、キャリーシートごと運ぶために用いるもの)、リハビリテーション用具の必要性を認め、介護用品代請求総額2000万円余のうち1834万円余を認めた(横浜地判平12.1.21)

てんかんの治療費、おむつ代、消毒剤等、介護用ベッド、マットレス、車いす、吸引器、自動車リフト等の購入費及び維持管理費として少なくとも年額120万円を要するとして、平均余命まで総額1546万円余を認めた(札幌高判平3.5.30)

頸髄損傷により四肢完全麻痺、膀胱直腸障害等(1級3号)の主婦(固定時26歳)につき、手押し車椅子代76万円余(5年毎の買替え)、電動車椅子代1023万円余(5年毎の買替え)のほか、介護用ベッド代(8年毎の買替え)、介護テーブル代、洗髪器、うがいキャッチ代など合計1164万円余を認めた
(東京地判平11.7.29)

その他の購入費

両眼失明(1級1号)の男子大学生(固定時26歳)につき、盲導犬費用として544万円余を認めた
(東京地判昭61.5.15)

右手人さし指の末関節を屈曲できない(13級)等のイラストレーター兼アニメーター(心臓の障害を有する1級身障者で転職困難)につき、グラフィックデザイン用及びアニメーション用のパソコン購入費909万円のうち450万円を認めた(東京高判平9.6.19)

1級3号の男子小学生(8歳)につき、書字困難で会話も流暢でない場合に、意思伝達及び情報収集の手段としてパソコン及び障害者用マウス(購入費30万円余)が必要であり、平均余命66年の終期まで耐用年数6年毎の買替えを要するとして、合計703万円余を認めた(大阪地判平15.8.29)

 

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