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後遺症による逸失利益 - 高次脳機能障害の例

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高次脳機能障害とは、脳が損傷されたために、言語・思考・記憶・行為・学習・注意などに障害が起きた状態のことをいいます。 交通事故により受けた頭部外傷の回復後に、
●計画性をもって正しい手順で物事を行えない
●物忘れをする
●判断力の低下
●注意を持続することが出来ない
●人格が変わってしまったようである
このような症状が出ている場合には高次脳障害を疑ってみるべきでしょう。

 

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例えば(1)

交通事故により高次脳機能障害(3級)言語機能障害(12級相当、併合2級)となった精肉店勤務の男性(固定時25歳)の場合…

一時的に職場復帰はできたけれど、これは社長の好意によるところが大きいとして、裁判で100%の労働能力喪失が認められ、損害賠償を受けることができました。

 

例えば(2)

自賠責で高次脳機能障害等5級2号となった43歳トラック運転手の男性の場合…

裁判で日常生活動作や意思疎通能力、その他の能力を考慮して高次脳機能障害は3級として、100%の労働能力喪失が認められ、損害賠償を受けることができました。

認定例

男子高校生(固定時17歳)の麻痺性構音障害、知能低下等(5級2号)につき、事故後にスーパー勤務により収入を得ていることは福祉的要素が強いとして、79%の労働能力喪失を認めた(神戸地判平5.5.21)

遷延性意識障害を脱した男子小学生(事故時10歳)の下肢欠損(5級)、精神・神経障害(7級)、左視力障害(13級、併合3級。平成3年3月受傷、平成9年9月症状固定)につき、現在は大学に入学し、バス、電車で通学でき、知的レベル正常、日常生活も自転車と和式便所が困難なほかは時間をかければある程度可能だが、就職できても人並み以上の努力を要するとして、100%の労働能力喪失を認めた(大阪地判平12.2.9)

デザイン担当嘱託社員の男性(固定時45歳)の高次脳機能障害(5級2号)、嗅覚障害(12級相当)、味覚障害(12級相当、併合4級)につき、事故後復職し、デザイン能力は低下しておらず会社も能力を高く評価していたが、記憶力や持続力の低下、協調性の問題などの人格変化によりトラブルが発生して退職していること、完全に就労不能とはいえず、嗅覚障害、味覚障害は労働能力に影響しないことから、85%の労働能力喪失を認めた(京都地判平17.12.15)

自賠責保険より高い等級や喪失率が設定された例

成績優秀な女子中学生(事故時13歳)の知能低下、運動障害(自賠責は5級)につき、両親等の送迎で定時制高校に通っているが、100%の労働能力喪失を認めた(大阪地判平7.7.14)

固定時33歳の主婦(事故時14歳)の易疲労性及び記憶力・前頭葉機能の低下等の認知障害(自賠責非該当)につき、現在の生活状況に照らして労働能力に影響を与える主たる症状は易疲労性であるが、全く家事労働に従事することができないわけではなく、掃除、洗濯、食事につき、一定限度従事することができていることからすれば、健常者と比しておよそ3分の2程度の労働能力が失われているものとして、67%(後遺障害等級6級相当)の労働能力喪失を認めた(東京地判平21.4.16)

大学院卒の有限会社代表取締役男性(固定時31歳)の記憶障害、学習障害、注意障害、遂行機能障害、社会行動能力の低下、持続力の低下、知能低下の症状(自賠責非該当)につき、びまん性軸索損傷に基づく高次脳機能障害の症状と認め、5級2号又は3級3号に相当するとして、左顔面から頸部にかけての不随意運動、構音障害・構語障害、左上下肢から頸部の筋緊縮の亢進と異常姿勢及び運動障害等のジストニアの症状と併せて併合2級相当として100%の労働能力喪失を認めた(東京地判平21.3.31)

 

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