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家屋・自動車等改造費、調度品購入費の事例

被害者の受傷の内容、後遺症の程度・内容を具体的に検討し、必要性が認められれば家屋・自動車等の改造費および調度品購入費の相当額が認められます。具体的には浴室・便所・出入口・自動車の改造費などが認められています。なお、転居費用や家賃差額が認められる場合もあります。

1級の事例

頸髄損傷による四肢完全麻痺、膀胱直腸障害等1級3号の主婦(固定時26歳)につき、自宅の玄関までの通路が長い階段になっている高台に位置し、右通路部分に車椅子用の階段昇降機を設置する必要があるとして、その他室内の家屋改造費と合わせて2038万円余の請求に対して1778万円余を認めたほか、自動車改造のためのリフト等架装代150万円を余命期間56年、8年ごと、443万円余を認めた
(東京地判平11.7.29)

介護保険の適用で安価に施設を利用できる1級3号の男性被害者(83歳)につき、家屋改造は人生の過半を送ってきた自宅で介護をしながら余生を送らせてやりたいとする真摯な気持ちから出たものであり、社会的相当性を逸脱した過分な費用とは考えられないとして284万円を認めた
(京都地判平14.2.7)

高次脳機能障害で1級3号の被害者男性(29歳)につき、トイレ・浴室・居室・玄関等の改造、昇降リフトの設置費用等422万円余、昇降リフトの買替え費用(耐用年数10年、5回分)355万円、将来の点検費用36万円余、今後行うバリアフリー化等費用は同居家族の利便性を考慮して約70%の510万円、合計1344万円余を認めた(東京地判平17.3.7)

四肢麻痺、痴呆等で1級3号の男子高校生(16歳)につき、通院・通園の便宜等から自宅を新築した費用1520万円のうち、介護用の設備等に関する費用については相当因果関係があるとして1495万円余を認めた(仙台地判平17.5.25)

四肢失調、構音障害、記憶障害等で1級3号の土木工事業代表者男性(固定時52歳)につき、食事動作以外の日常動作が全介助状態であること等から、住宅改造費全額(1451万円余)を認めた
(神戸地判平19.3.8)

5級以下で家屋改造費等を認めた事例

左足関節機能用廃等(併合6級)の被害者男性(固定時24歳)につき、家屋改造費350万円を認めた
(広島地判平10.2.18)

左股関節痛(12級12号)の会社代表者男性(固定時47歳)につき、家屋改造費に関する519万円余の請求のうち425万円余を認めた(東京地判平12.3.8)

頸髄損傷による四肢のしびれ、歩行困難等(5級)のアルバイト男性(固定時27歳)につき、住宅改造は被害者以外の者にとって便益をもたらすものは多くなく、被害者以外のものの便益享受をもって損害額を減額するのは相当でないとして622万円余を認めた(大阪地判平18.4.26)

右下肢のRSD(9級)で日常生活は車椅子となった高校助手の女性(固定時35歳)につき、段差解消工事、手すり取付工事、道路から車庫内の車に直接乗降できるようにするためのガレージ工事等の費用457万円余を認めた(大阪高判平18.8.30)

退院時一本杖歩行状態で、左鼠径部・左腹部の痛みを訴え、段差の昇降や和式便所の使用が極めて困難な状態の被害者女性(22歳、左股関節機能障害と骨盤骨変形があるが、後遺障害等級認定を否定され、差骨盤部の疼痛のみにより14級10号の認定を受けている)につき、自宅敷地内に被害者が居住するための段差のないプレハブ建物を設置した費用122万円余全額を認めた(京都地判平14.5.23)

転居費用、仮住居費及び家賃差額等を認めた事例

住居立て替えに伴う仮住居費として、敷金30万円と賃料月額9万6000円の7か月分67万2000円の合計97万円余を認めた(神戸地判平13.7.4)

エレベータの設置などを考慮し、建物新築後の水道光熱費の増額分のうち月額2万円を認めた
(神戸地判平13.7.4)

遷延性意識障害等で1級3号の男子高校生(17歳)につき、自宅介護における介護器具等の使用や洗濯等により光熱費の支出が増加するとして、光熱費月額8000円、合計180万円を認めた(千葉地判平17.7.20)

 

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